翻訳で仕事をするということ
翻訳の種類
翻訳にはどんな種類があるのでしょうか?
出版翻訳は文芸翻訳とも呼ばれます。小説や絵本、雑誌、ビジネス書など外国あらゆる分野の出版物を翻訳します(一般的に、雑誌、冊子などの印刷物の翻訳は、書籍の翻訳である翻訳出版と区別してメディア翻訳というジャンルに含まれることがあります。)。作品の時代背景や文学全般に対する深い理解、専門性などが求められることがあるため、純文学などの分野の翻訳は教育者や研修者が翻訳を手掛けることもあります。つまり、一般の出版翻訳家の主な活躍の場となるのは小説、児童書、映画のノベライゼーション、ノンフィクションなど純文学以外の文芸作品となります。そして、このような娯楽的な文芸の世界の出版物は非常に多く、翻訳書中でも群を抜きます。非文芸作品の翻訳としては、ビジネス、時事、科学技術、ライフスタイルなど、こちらも多種多様のジャンルが存在します。非文芸作品の専門性が高いものとしては、それぞれのジャンルのテーマに関する知識が必要不可欠となるため、学者、研究者、経済誌の編集者、テクニカルライターなどが翻訳に当たることも多くあります。このため、翻訳経験が少なくとも、特定のジャンルに精通する知識が非常に役に立つ分野といえます。総合的に、学術書、専門書、一般教養書などどのジャンルの翻訳をするにしても、翻訳者の技術や経験のみでなく、スラングや流行語、比喩、シャレなども広く理解している知識が問われます。また、誤訳につながらないように、社会背景、文化、慣習、歴史などの一般教養に深く精通している必要性があります。
映像翻訳はメディア翻訳とも呼ばれます。「字幕翻訳・吹き替え翻訳」として、TVのニュースやドキュメンタリー番組などの字幕、映画やビデオの字幕などを翻訳し、日本語吹き替えの原稿の元翻訳を作成する翻訳があります。翻訳した部分がすべて一つの作品となっていくといえるでしょう。字幕翻訳の場合は、文字数制限があり、文章を的確に短縮する能力が必要になってきます。また、ニュースなどの字幕の翻訳の場合は、国際情勢・政治経済などの知識が必要となりますので、常日頃から新聞やテレビなどでの情報収集が必要不可欠となります。吹き替え翻訳の場合は、映像の話し手の音声に合わせて実際に自分が話しながら、翻訳の長さを調整していきます。映画などの翻訳では、正確な翻訳はもちろんのことですが、登場人物の心理状態や場面設定にふさわしい翻訳をする必要があるため、臨機応変な翻訳が重要になってきます。いずれも、原文の読解力が必須となりますが、さらに、日本語力が重要なポイントとなるといえるでしょう。たくさんの語彙を持っていることがとても重要なこととなってきます。この場合、原文の台本と映像を元にし、非常に多くの言葉の制約がある中で翻訳を行っていきいます。このため、字幕翻訳の場合は、文字制限などに対応する様々な技巧が必要となるため、字幕翻訳を専門とする翻訳家が活躍しています。平均的に、30分番組の場合、2〜3日で翻訳する能力が要求されます。「放送翻訳」では、スクリプトと呼ばれる原文の原稿や台本がないのが特徴となります。ヒアリングのみで日本語に書き起こす作業となります。この場合は、翻訳した文章全てが使用されず、ディレクターが使用したいところを抜き出して編集していくことにます。冷として、30分程度のビデオを翻訳した場合、使用われるのは1分前後だったりすることもあります。「放送翻訳」では高いヒアリング能力とともに日本語力の豊かさが大きなポイントとなりるといえます。話し手の外国語をしっかり理解していても、それを即座に日本語に訳すことができなければならないのです。同時通訳と同じような能力が要求されますが、口頭での伝達ではなく、文章での表現というところに違いがあります。平均的に、30分の素材を6時間程度で翻訳する技能が要求されます。
実務翻訳は産業翻訳(ビジネス翻訳)はともいわれます。この分野は翻訳業界全体の業務量の約九割を占めると言われています。コンピュータ、電機、医療などの技術的な分野で必要とされる翻訳です。契約書やマニュアルなどの翻訳では、その分野の専門知識も要求されます。一度、ある特定分野での翻訳者として高く評価されることがあれば、その分野での仕事多く受注することができるようになり、安定した収入を期待できます。世間的によく知られているのは出版翻訳や映像翻訳などの分野ですが、市場規模としては実務翻訳が圧倒的多数といえるでしょう。作品に翻訳者の名前が出る出版翻訳や映像翻訳」の世界とは異なり、実務翻訳の場合、翻訳者の名前が表に出ることはほとんどありません。実務翻訳は社会の裏方的な存在といえますが、安定的な収入が獲得できるところが大きな魅力といえます。実務翻訳の中でも特に、コンピュータ、メディカル、特許の三大分野はビッグビジネス産業といえます。以前、コンピュータの分野は「実務翻訳の金鉱脈」といわれ、この分野の翻訳者の中には月収100万円超となる高額所得者も多く存在しました。しかし、この分野は翻訳志望者にも人気が高く、新規参入者が多数あったため、過当競争となり、元zぁ意の状況は厳しい状態といえます。昨今は、特許やメディカルの分野が注目され、安定した収入を確保している翻訳者が多くいるようです。